遺伝子は知的能力(知能)の個人差にほとんど関係しない

どういう論文かStudy of 300,486 individuals identifies 148 independent genetic loci influencing general cognitive function www.nature.comGenome-wide association meta-analysis in 269,867 individuals identifies new genetic and functional link…

自己回帰、Flowベースの深層生成モデルの今

内容 MADEの実装と並行して、特にFlowベースの手法について、様々なブログや論文で全体像や各手法の勉強をしたので、まとめておきます。 全体論 Google BrainのEric JangによるNormalizing Flow解説が極めて秀逸なので、まずこれを読んでから以下の概要・論…

ChainerでMADE: Masked Autoencoder for Distribution Estimation

Autoregressive/Flowベースのモデル深層生成モデル このブログでもよく紹介している深層生成モデル(Deep Generative Model)ですが、近年よく研究されている深層生成モデルにはGANベース、VAEベース、Autoregressiveベース、Flowベースのモデルがあります。…

人工ニューラルネットワーク(特にRNN)を脳のモデルにする時の注意

人工ニューラルネットワークと実際の脳が似ているかどうかは全く自明でなく、その問題自体を絶賛研究中、というのは何回か書いています。「似ている」という研究も確かに最近たくさん出ていますが、逆に考えるとそれだけこれまで似ていないと思われていたか…

文章から抽象的な空間表現を推測する深層生成モデル(GQNの言語への応用)

「AがBの後ろにある」と「BがAの前にある」の二つの文章が同じ関係を表現していることは人間には容易にわかります。しかし、一般的な言語モデルでこれら二つの文章を読ませた場合、モデルが出力する二文の表現はかなり離れたものになってしまうことが知られ…

チーム戦FPSで人間チームを上回るパフォーマンスを出す人工知能エージェント軍団

囲碁やピンポンゲームは既に解かれたので、今のAI研究のターゲットはより長期的な計画を必要とするゲームや、プレイヤーから対戦相手の状況などゲーム状況の一部が隠されているゲーム、あるいは仲間との協調を必要とするゲームなどより高度なものへと移って…

広範な脳領域から同時記録ができる時代

Feature-Based Visual Short-Term Memory Is Widely Distributed and Hierarchically Organized https://www.cell.com/neuron/abstract/S0896-6273(18)30424-0 記憶した情報が脳の広い領域に分布していて、更にそれら領域が情報を保持している時間は領域ごと…

脳は逐次的に構文処理をしている(ACL2018ベストペーパー)

今年開催されたACL(自然言語処理の国際会議)のベストペーパーで、脳波と絡めた論文がありました。 [1806.04127] Finding Syntax in Human Encephalography with Beam Search単語を逐次的に読んでいくニューラル言語モデルによって得られる文章表現が様々なタ…

4.2光年離れた星に人類がたどり着くためには98人連れて行けば十分

人間に寿命があるように、太陽や地球のような星にも寿命があります。数十億年先と予想されているようですが、核戦争やら温暖化やら何やらでそれよりもずっと早く住めなくなる可能性があります。そのような事態に備えるため、地球外惑星への移住、つまりテラ…

抽象的な空間表現を獲得するDeepMindの深層生成モデル(GQN)

人間はある視点から撮られた1枚の写真からその空間の全体像を思い描くことができます。もちろんそれは間違っていることもあり、例えば何か重要な物体が壁などの障害物のせいで写っていない場合は、異なる視点からの情報を追加で入手することによる補完が必要…

発展に対する継続的改善とイノベーションの関係

人類はこれまで継続的な発展を遂げてきました。その発展には恐らく、天才的な閃きや偶然による発明だけでなく、それら発明の継続的な改善活動も必要なはずです。こうした発展がどのようなプロセスで生じるのかは、組織論の分野などにおいても非常に重要な問…

結果がない状態で論文を書く

オックスフォードで機械学習のPh.D.をしている学生をしている人と話す機会があったのですが、普段どんな風に論文を仕上げていくか聞きました。 まず結果以外を論文のフォーマットで全部書く それを研究室の人たちにレビューしてもらう 問題なければプログラ…

受かるために落ちる

turingcomplete.fm Turing Complete FMでは川合史朗さんがゲストに出ている回が一番面白い気がします。川合さんはハワイで俳優をやっている現役スーパープログラマーという面白い人なんですが、俳優として活動するにはオーディションに通る必要があります。…

人工知能モデルの出力を解釈しやすくするために人間が直接介入

モデルの出力が人間にとって解釈可能(Interpretable)かどうかは、実応用を考えると非常に重要です。一方で、解釈可能性を定量化するには実際に人に聞かないといかず、それはコストがかかります。大企業ならいざ知らず、そうではない団体や個人にとっては大…

ψの悲劇| 森博嗣

ψの悲劇 The Tragedy of ψ (講談社ノベルス)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/05/09メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る日本の書籍を現物で入手するのはかなり辛いですが、森博嗣の本はほぼ全てKindle化しているので助かります…

脳内テレポーテーションによる「あれを取っておけば…」

二つ以上の選択肢があって、どれか一つを選ばないといけない時、どうやら悪い方を選んでしまって「あれを取っておけば…」と思うときはよくあると思います。少なくとも僕はよくあります。この「あれを取っておけば…」という想像を脳の前帯状皮質(Anterior Ci…

聴覚野とよく似たニューラルネットワーク

以下の記事で、ニューラルネットワークの解析方法それ自体が確立していないと書きました。前頭葉を模したニューラルネットワーク - tkg日記実際それは事実なのですが、最近よくやられている手法としては、ニューラルネットワークの各層から実際の脳活動を予…

将来なにがクールになるかはわからない

相変わらず息抜きにPodcastを聞いてますが、Rebuild.fmのomoさんの会が面白かったです。rebuild.fm「プログラマーの仕事は途上国の人材に取られるとちょっと前は言われてたけど、意外とそうなってない。ニューラルネットを含む人工知能、他にもコンパイラな…

人の海馬でも記憶再生が?

自分の今いる場所を脳内で表現している"場所細胞"ですが、睡眠時や休憩時に、これまでの経路を復習する(リプレイする)ことがマウス等の実験から知られています。こうしたリプレイは記憶の定着などに役立つと考えられていますが、そうしたリプレイが人の海…

前頭葉を模したニューラルネットワーク

「そもそもニューラルネットワークは脳を模したものだろうに、何を言っているのか」という感じのタイトルですが。実際にはニューラルネットワークが脳と似ているかは殆どわかっていないので、似ていたというだけで論文になる時代です。この論文もそんな研究…

ブログで論文のことを書くのは難しい。新規性と独創性。

ブログに論文のことを書くのは案外難しいとよく思います。よくある論文の形式は以下のようなものです。 ある重要な問題Aがある。 色々な取り組みがされてきたけど、問題B,C,Dのせいで中々解決していない。 問題B,C,Dを解決するためにこんなことを考えた。 見…

忙しくなってきた

今年の1月に初めてから一応、週三日異なるカテゴリ(脳系・情報系・雑記)の記事を投稿することを目標にしてたのですが、こちらにきてから完全に破綻しそうです…。 こちらでの家探しや導入もようやく終わり、いよいよ本格的に研究が始まったなという感じの…

深層学習の汎化性能は各ニューロンの入力選択性にも依存する

少し前の記事(神経科学者はマイクロプロセッサを理解できるか? - tkg日記)は、古典的な神経科学の手法が(ノイズのない綺麗な大量のデータを解析に使える)マイクロプロセッサの目的すら明らかにできない、という批判的な内容でした。今回の研究はその逆で…

解釈可能な潜在表現を獲得する

beta-VAE: Learning Basic Visual Concepts with a Constrained Variational Framework | OpenReview上の研究は昨年Deepmindのグループから出たもので、MusicVAE(https://magenta.tensorflow.org/music-vae)やWorldmodel(https://worldmodels.github.io/…

オックスフォードでの生活雑感 その1

オックスフォードで生活を初めて早くも2週間が経過しましたが、予想よりも快適に過ごせています。まず、街の施設がコンパクトにまとまっていて、必要なものは徒歩圏内で全部揃います。流石に24時間やってるコンビニみたいなお店はありませんが、7時から23時…

脳は学習の際に決められたリソースを配分している?

スポーツから座学まで、習得した課題に対して何かしらの変更が加わり、柔軟な対応を迫られることはよくあります(再学習)。そのような時、脳はどうやって対応しているのでしょうか。まず準備として、先行研究から、一見高次元な脳活動(無数にあるニューロンの…

神経科学者はマイクロプロセッサを理解できるか?

脳研究者は、人間や動物など研究対象は違えども、脳の目的、目的達成のための手法、そしてその物理的実装に多かれ少なかれ興味があると思います。そうした事柄を探りたい気持ちがある一方で、脳科学の世界はデータの量や精度の制約が厳しいことで知られてい…

ゆるく継続する

人間は何かが良くなっていることよりも、悪くなったことの方に気を取られます。これはブログでも同じで、気合いを入れすぎた記事を書くと、その後の更新時に同等かそれ以上の品質を期待してしまい、更新が中断する大きな原因になります。このブログは継続的…

大学院生活の終了

とうとう日本での大学院生活も終わり、来週から英国での生活が始まります。改めて、いまの時代に脳やAIの分野の最先端の研究に触れることができてよかったなと感じます。業界として登り調子な、けどどこに向かっているのか全くわからない感じがするカオスな…

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか | ポール.J・シルヴィア

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)作者: ポール.J・シルヴィア,高橋さきの出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/04/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る先輩からおすすめされて読…