脳に腸ネットワークが存在?

ここ最近読んだ二つの本*1はどちらもいわゆる"脳・腸連関"に関するトピックが重要な位置付けにありました。具体的には、我々は脳で考えてると思ってるけど、実は腸の影響もかなりあるのでは、という内容。

このeLIFE誌の研究はまさにその関連です。
Stomach-brain synchrony reveals a novel, delayed-connectivity resting-state network in humans | eLife

我々の脳はそれぞれの部位が完全に独立に活動しているのではなく、さまざまな脳部位が協調して活動しています。特に大規模なものを脳ネットワークとして呼んでいますが、この研究では腸の活動と同期する脳ネットワークを始めて見つけたとの報告。これまで見つかっていたどんなネットワークともあまり似てないため、新しいものであるとしています。

身体の動きや心拍との関連を探るなど、腸関連のネットワークであることを裏付ける解析も多数しているように見えます。また、重要な先行研究との違いとして、普通のネットワーク指標とは異なる時間遅れを考慮したネットワーク指標を使っていて、それも今回のネットワークがこれまでの脳だけを使った解析で見つかってこなかった理由としています。

ただ、指標の限界として因果の方向性まではわからないので、脳が腸の指令を受けているのか、腸が脳からの指令を受けて活動しているのか、はわからず、著者らは双方向であるとの仮説を提案。

一番興味深い問題は「このネットワークが一体どんな役割を果たしているのか?」ということですが、筆者らは食物の採取行動や獲得行動等に関係しているのでは・・・としています。まあ、腸なのでそうですよね・・・。