ブログで論文のことを書くのは難しい。新規性と独創性。

ブログに論文のことを書くのは案外難しいとよく思います。よくある論文の形式は以下のようなものです。

  1. ある重要な問題Aがある。
  2. 色々な取り組みがされてきたけど、問題B,C,Dのせいで中々解決していない。
  3. 問題B,C,Dを解決するためにこんなことを考えた。
  4. 見事に解決。

この場合、世の中の大半を示す分野外の人にとってはそもそも1や2の時点で「そんな問題がいま解かれているのか。」と思うことがほとんどです。例えば、このブログでもよく出てくる「脳が何を見てるか・考えているかを当てる」みたいな問題です。多くの人が解きたい問題というのはそれ自体が面白いことが多いので、この部分を説明しているだけで大体面白い。

一方で、論文にとっては3以降も非常に重要です。つまり、どんな風にこれまでの研究と違うアプローチをとったか。どれぐらい違う結果を出したか。

ここでジレンマが生じます。なぜなら多くの場合、本当の意味で新規性があって、前進させた部分というのは、ほんの少しだけだから。けどそれをそのまま書いても面白くない。結局、真にその論文の新規性を書くよりも、問題の説明に記事の多くを費やしがちになります。

結局、1.の大きな問題の時点で新規性があれば上の問題は生じません。例えば、明日「人が乗れるタイムマシーンを作った」とかいう研究が出たら、かなり紹介しやすそう。そして、そういう論文が"独創的"なものであり、研究者が目指すべき研究と言われることは多いです。

もちろんどういう研究をするのが正しいなんてことはないし、大きな問題を提案して分野を作るのも、周辺の問題を地道に解決して分野を一歩一歩前進させていくのも、どちらも大事。自分の周りを見ても、どういう風に研究に取り組むかは結構その人の性格が出る気がします。出世とか研究費とか名誉とか考え出すと性格とか言っておられず研究戦略が狭まってくるのが難しいところですが、そこを気にするかどうかも結局は性格に寄るという…。