人の海馬でも記憶再生が?

自分の今いる場所を脳内で表現している"場所細胞"ですが、睡眠時や休憩時に、これまでの経路を復習する(リプレイする)ことがマウス等の実験から知られています。こうしたリプレイは記憶の定着などに役立つと考えられていますが、そうしたリプレイが人の海馬でも生じるのか?という疑問はこれまで検証されて来ませんでした。(人でも海馬以外では色々とリプレイ関連の報告はされてます。)

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この論文は上記の疑問を、人のfMRI実験で検証しています。fMRIはこれまでの研究で使われていた計測機器(MEGやEEG)に比べて位置同定の精度が高いため、 "海馬での"リプレイ検証には適しています。実験では33人の被験者で、決められた順序で出てくる画像ペアを学習中の脳活動と、その前後の休憩中の脳活動を測定しました。すると休憩中の脳活動が、学習した画像ペアの順序をあたかも復習するような形で活動していたとのことです。

これはちょっと驚きの結果で、というのもこの実験で使っているfMRIは神経活動を3秒に1回しか、それも間接的にしか測定できません。復習活動のようないかにも早い時間間隔で遂行されそうな脳活動をfMRIで計測できるとは中々信じがたい。なので著者らもその辺はよくよく自覚しており、色々シミュレーションもして頑張って有り得ない話ではないことを説得しています。個人的には、リプレイ現象自体はあるかもしれないと思いますけど、この実験で本当にそれが捉えられるのかは若干疑問があるところです。