発展に対する継続的改善とイノベーションの関係

人類はこれまで継続的な発展を遂げてきました。その発展には恐らく、天才的な閃きや偶然による発明だけでなく、それら発明の継続的な改善活動も必要なはずです。こうした発展がどのようなプロセスで生じるのかは、組織論の分野などにおいても非常に重要な問いです。

この研究は、オンラインで継続的に公開されているプログラミングコンテストのデータを使って、コンテスト参加者がどうやって過去のアプローチよりも高いスコアを出すプログラムを生み出していったのかを分析するで、その問いに答えようとしています。
www.nature.com


現在ハイスコアのプログラムが公開されてる場合と、公開されてない場合があるのですが、前者だけに絞ります。その時の結論は:

  • 大半のプログラムは現在ハイスコアのプログラムと非常によく似ている。
  • ハイスコアを更新したプログラムの大半も、現在ハイスコアのプログラムと似ている。つまり大半のスコア更新は現在のプログラムの改善。
  • 一方で、ハイスコアが大きく更新された時は、現在ハイスコアのプログラムと大きく異なるプログラムである場合が多い
  • 継続的に生じるハイスコアの更新は、現在ハイスコアを出しているプログラムをベースとした改善から生じる。つまり、現在のトップと類似度が高い。
  • 現在のハイスコアプログラムと類似度が低いと、多くの場合スコアは低い。一方で、大きくハイスコアを更新する場合もある(イノベーション?)。
  • このようなイノベーションによるハイスコア更新は、継続的な改善による更新の16分の1程度の頻度で生じる。

結論はまあ納得で、保守的で継続的な改善と、失敗のリスクを踏まえたイノベーション、の両輪で発展していくという感じです。イノベーションを起こしたプログラムが、開発者の手元にある時にどの程度失敗していたのかも気になるところですが、それはネット上には無いデータなのでわからないんでしょうね。個人的には、この研究手法自体がわりと閃きって感じで個人的に面白いと思いました。