オックスフォードの情報系人材(学生・ポスドク)の就職事情

オックスフォードは大学街なので、知り合う人の多くは学生か研究者。そのため、特に自分が話すような若い年代の人だとオックスフォードにずっといるつもりの人は少数派です。なので必然的に進路について話す機会も多くなります。

僕は今のところ目の前のことにいっぱいいっぱいであまり考えられていないのですが、周囲の人と話していると皆自分よりもよほどしっかり考えていて勉強になります。そこで、(オックスフォードや日本時代の)周囲の人の話を聞いた上で、情報系の人間として自分が進路についてどんな風に考えているか、少しまとめてみます。考えるべき観点は色々あると思いますが、少なくとも以下の点は多くの人にとって重要だと思います(順不同)。

1.内容 - 何ができるか
2.働き方 - どんな風に働けるか
3.給料 - いくら貰えるか
4.場所 - どこで働くか
5.同僚 - どんな人と働けるか

1.内容

理論家の場合は、雇ってさえもらえれば基本的にどこでも仕事が出来るのであまり考える必要はなさそうです。一方で自分のように中途半端な立ち位置の場合は、興味深いデータと十分な計算資源があることが大事になってきます。このとき、企業か研究所か大学か…というような分け方をしても、それぞれの中で差が大きすぎるためあまり意味がありません。基本的に情報系は産学の垣根が低いですし、また、やりたいことがやれて充実したデータ・設備を使える企業もあれば、縛りが極めて強くデータも設備も不足している大学はあります。なので結局、個別に検討していくことになります。
具体的な点としては、自分の名前で成果物を発表出来るかどうかも非常に重要です。その後の進路選択における自由度にも繋がってきますし、単純にそれ自体がやり甲斐になるからです。一般的な傾向としては大学や研究所の方が論文を重視されるので若いうちはそういう場所にいて論文数を稼ぐ戦略はメジャーなものと言えますが、情報系では一部企業の一部研究所が大学並みに論文を出したりもしているので、ここも結局個別に見ていくことになります…。

2.働き方

他の分野同様、研究寄りの職種の方が働き方(時間や勤務体系)は自由だと思います。自分の知り合いでも、(企業・大学問わず)週の大半は家やカフェで作業しているという人が複数人います。ここでも、企業か研究所か大学か…というような分け方にはあまり意味がありません。劣悪な環境はどこにでもあるからです。なので、結局個別に検討していくことになります。幸いなことに今は情報系の人材が不足しているため、名の知れた企業であればどこも働きやすさには気を使っているところが多く、差がつきにくいと思います。一方で研究所や大学は環境差がかなり大きいので、個別に情報を検討する必要があります。

3.給料

大学・研究所は大体どこも似たような水準で、日本国内と国外の差も大してありません。企業の場合は少し差がでてきます。イギリスやアメリカだと、情報系の学部または修士を卒業して、Amazon, Facebook, Google, Netflix, Uberなどにエンジニアとして就職すると大学勤務の1.5倍ぐらい(1000万円~)からが相場のようです。これは日本でも大体同じぐらいでした。PhD取得後にそれら企業での開発・研究職についた場合は上記の2倍(2000万円~)からが相場のようです。物価なども関係しているので日本との単純比較は難しいのに注意が必要です。ベンチャー企業に進む場合は、給与が劣りリスクも大きいものの、大きなアップサイドが狙えることがメリットです。

4.場所

文化、治安、食事、物価、、、など色々な問題がそれぞれの都市で異なってくるので極めて重要な問題です。ただ、転勤や海外赴任などを考える必要が無いため、同一地域内で考える分には差はつかないと思います。

5.同僚

大学や研究所だと、研究室外の人と関わる機会は自分でコントロールできる印象です。色んな研究をしている人が周りにいる場所の方が刺激が多いので、多様な研究室がある場所の方が自分は好みです。企業だと、総合大学などに比べると研究面での周囲の専門分野が限られてくる一方、研究職以外の人と関わる機会が多くなります。そうした場合にどんな人と働くことになるかは、運要素も大きいと言えます。特に上司や同僚の不確実性は企業の方が幅が広い気がします。研究所や大学だと元々名前を知ってる人が周りに多いこともザラなので。