「僕は自分が思っていたほどは頭がよくなかった」

僕は何か新しいことを勉強しようとする時、大体の場合において一度見た・聞いただけでは理解することができません。子供の頃からずっとそうで、スポーツとか習い事でもだいたい最初は周りに遅れをとります。ど田舎の、具体的には大学進学率が39.5%(全国最下位の沖縄県の平均らしいです)を下回るぐらいの地域の、公立小・中学校に通っていましたが、中学3年時の成績がほぼオール3(音楽だけ4)と文字通り平凡な子供でした。

そんなわけで、昔は物覚えの悪い自分に苛立ち、すぐに諦めたり離れたりしていたのですが、昔に比べると今はもう少し耐えられるようになったと思います。これが何でなのか、少し考えてみたのですが、1つにはその場ではうまくできなかったり、理解できないことでも、そのうちわかるだろうという楽観ができるようになったことがあります。一つの分野を長く続けていると、本当に重要なことは2度、3度形を変えて出てきます。その度により理解が深まっていく経験をたくさん経て、そのことが信じられるようになりました。恐らくこういう考えを子供の頃から身につけている人もいるのでしょうが、少なくとも僕の場合は研究を始めるまで、つまり20代中盤にしてようやく身にしみてわかってきました。あるいは、自分が苦手なこと(多い)と得意なこと(少ない)がなんとなくわかってきて、うまくいかないことに一喜一憂しなくなった影響もあるかもしれません。

こういうのは、人生経験から得られる成長を続けるためのノウハウ的なものだと思うのですが、そういう話題に関してとても好きな記事があります。以下の「僕は自分が思っていたほどは頭がよくなかった」です。

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このブログは、勉強ができずに将来に絶望している質問者に対し、かつてMITに入学した直後に同じような絶望を経験した回答者からのアドバイスの邦訳です。歴代のはてなブックマークでTop10に入るだけあり、短いながらもとても響く内容です。

以下、とくに好きな部分を抜粋。

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微分方程式に半学期悩まされたあと、プライドを捨ててようやくRのところへ助けを求めに行きました。確か彼は私の教科書を一晩借りて復習して(彼は小学3年生からの全ての授業内容を憶えているわけではない)、その後、私の分からないところをひとつひとつ丁寧に解説して教えてくれました。その結果、学期末に私はB+をとり難を逃れることができました。ここでひとつ大切なことがあります。それは、彼が教えてくれたことのなかに、頭の回転が速くなければ理解できないことなどひとつもなかったということです。彼のことを知るにつけ分かったことは、彼の知性と実績のほとんどは、まさに勉強と鍛錬によってもたらされているということでした。
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「頭がいい」ことが成績の良し悪しを決めるのだと言って自分自身を欺くのは簡単なことです。とても多くの場合で、これはあり得るなかで最も安易な説明です。なぜなら、これを認めれば努力をする必要もありませんし、自分の失敗をただちに正当化してくれるからです。君はいま気づかずにこの罠にはまろうとしています。

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MITを卒業するのに失敗する人というのは、入学して、いままでに経験したなによりも難しい問題に遭遇し、助けを求める方法も問題と格闘する方法も知らないために燃え尽きてしまうのです。うまくやる学生はそういう困難にぶつかったとき、自分の力不足と馬鹿さ加減に滅入る気持ちと闘い、山のふもとで小さな歩みを始めます。彼らは、プライドに傷がつくことは、山頂からの景色を眺めるためであれば取るに足らないということを知っているのです。彼らは、自分が力不足であると分かっているので助けを求めます。彼らは知性の欠如ではなく、やる気の欠如が問題だと考えます。
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君はとても若い。頭があんまりよくないのではなどと悩むには本当に若すぎる。年をうんととってボケ始めるまでは、「頭がよく」なるチャンスはあるのです。括弧付きで言ってみたのは、「頭がよい」というのは単に、「とても多くの時間と汗を費やしたので、難なくやっているようにみえるまでになった」ということを言い換えているに過ぎないからです。君は、自分は燃え尽きてしまった、あるいは、燃え尽きてしまうかどうかの岐路に立っているという風に感じています。でも実際には、燃え尽きることにするかしないかを決断する岐路に立っているのです。これが決断であるということを認めるのは怖いことです。なぜならそれは、君にはなにかをする責任があるということですから。でも、それは力が湧いてくる考え方でもあります。君にできるなにかがあるということですから。

さぁ、やってごらん。

改めて見ると、この回答それ自体は非常に素晴らしい考え方だと思うのですが、一歩間違うと生存バイアスバリバリの努力偏重・環境軽視な思想に寄りすぎて、現実から乖離しそうだなと思いました。頭の片隅に以下の漫画みたいな話もおいておくのが丁度いいバランスなんでしょうか。

tabi-labo.com