葬送 | 平野敬一郎

葬送〈第1部(上)〉 (新潮文庫)

葬送〈第1部(上)〉 (新潮文庫)

平野啓一郎さんは"ドーン"や"決壊"、"マチネの終わりに"あたりの本が好きですし、新書もとてもよかったです。ただ、葬送を始めとした初期の本はあらすじを見てもピンとこなかったため、これまで手を出して来ませんでした。そんな中、平野啓一郎さんファンの知り合いからこちらを強くオススメされたので読んでみました。

全体的に、思っていたよりもずっと読みやすかったです。ショパンドラクロワという2人の天才とその周囲の人々らが語る芸術論、天才論は特に印象が残ってます。あとは親子、恋人などとの関係をこじらせまくってるのも、エンタメとして楽しめました。

一方で芸術作品それ自体に関する描写や批評はあまりピンとこず。エッセイのもそうなんですけど、著者の芸術評はいまいち自分には難し過ぎるかも。例えば最近読んだ恩田陸さんの"蜜蜂と遠雷"の描写は曲そのものを聞いたことがなくとも中身がすっと入ってきたのですが…。

あと、面白くはあったのですが、ストーリーが淡々としていて読むのにすごく時間がかかりました。最初にあげた作品群はだいたい一気に読めたので、やはり初期の本はあまり向いてないのかも。今年の秋頃に新刊が出るらしいので、そちらは楽しみにしてます。