2019年の振り返り

先週、東京での一時帰国を終えて帰ってきました。


帰国中は、ひきこもり体質の自分にしては珍しく人と会う機会に多く出向き、互いの近況を交換しました。多くの学生時代の友人が大学卒業後から何か一つ筋を通してきている一方、僕は「今どんな仕事をしているのか?これから何をしたいと思っているのか?」という同窓会定番の質問にうまく答えることができませんでした。


帰国後のオックスフォードでは、ほぼ毎日雨が降っています。夜が長いわりに星は見えないし寒いし、ご飯は高くて不味いし、からだの底からイギリスを感じる毎日です。



今年を振り返ると、まず腹痛から始まりました。

昨年末から体調を崩してしまい、1月の一時帰国中には色々と病院を回る羽目に。初めての本格的な海外生活、初めての研究分野、大量の初対面の人たちとの人間関係構築と、自分では全然意識していなかったものの、今思うとそんなあれこれからくる心身のストレスが原因だったのだと思います。そこから年度末にかけては、色々とメールや応募をしてはお祈りされ、たまに面接までしてくれてて、お祈りされ、懲りずに別のところにチャレンジして、、、研究の合間にそんな活動ばかりしていたのを覚えています。お祈りの効果は経験を重ねても逓減しないということを学びました。

4月から6月まで、長めの一時帰国をして、不思議な日々を過ごしました。

年度末の頑張りの甲斐があったのかどうかはわかりませんが、いくつか先に繋がる話も出てくるように。さらに副次的な効果として、自分がやりたい事を改めて考えるきっかけにもなりました。AIや脳について考えているうちに、芸術方面に自分がどう関われるかといった興味がわき、映画監督やクリエイティブ系のAIベンチャー、クリエイティブハウスにメールをしたり話を聞いたりしました。その流れからいつの間にやら中目黒のクリエイティブハウスで案件に関わらせてもらうことに。クリエイターでも何でもない自分が、色々な分野のトップクリエイターと机を並べて仕事をしている不思議案件でしたが、そこでもたくさんの刺激を受けました。並行して、面接のために海外に飛んだり、やっぱり懲りずに色々な応募を出して、お祈りされて、別のところにチャレンジして、いい話もたまにはあって、みたいなことを繰り返す生活をしていました。研究に関することも、細々と続けていたと思います。

本格的な日本の夏をむかえる前に、再びオックスフォードに戻ってきて、最高の気候に恵まれました。

自分のテニスラケットも買って、いい気分休めができました。僕と同年代のボスやポスドクの同僚に子供が生まれ、研究室が賑やかになりました。子供や家庭の話には全くついていけません。夏の初めに去年投稿した論文が掲載され、夏の終わりには別の仕事が国際会議に受理されました。イギリス居住1年半にして初の海外旅行が学会出張という引きこもりぶりには我ながら閉口しますが、ベルリンにはまた行きたいと思います。

そこからしばらくは、淡々と論文に取り掛かる日々が続きました。

研究室が夏休みに入って暇だったので、Kaggleにも手を出しました。Kaggleというよりもグラフニューラルネットワークを勉強するために出たコンテストでしたが、残念ながらTop 0.2%の金メダルには手が届きませんでした。ただなんとか上位5%の銀メダルは獲得できて、今度はデータサイエンティストも悪くないと思うようになりました。数学や統計の知識不足を感じたので、YouTubeの動画を見たりしながら勉強をしました。途中、いくつか嬉しい話をいただけました。

そうこうしているうちに再び、日本への一時帰国の時期になりました。

ここでも色んなところに滞在しながら、シンポジウムに出たり、オフィスにお邪魔したりしていました。ただ大半の日々は、遅く起きて、オフィスに少し寄って、一人でご飯を食べ、カフェでだらだらし、ラーメンを食べ、ファミレスでパソコンを広げるか本を読んで、飽きたらコワーキングスペースに行って仕事して、みたいな生活でした。自分は一体何をしているのかと不思議になりました。時間があったので、沢山本も読みました。そういえば、この1年間で住居が10回ぐらい変わったと思います。

そんなこんなであっという間に一時帰国も終わりオックスフォードに帰ってきました。

一時帰国中も論文執筆は続けており、ようやく形になってきました。来年にはいくつか投稿できると思うので、結果が楽しみです。その他の研究も、二転三転しながらもなんとか方向性が付いてきました。自分のいまの研究分野を聞かれたら、いちおうAIとか脳とか答える一方で、実際のところ自分と同じ立ち位置で研究をする研究者人は世の中にほぼおらず、それは果たして分野と言えるのか。そんな中、芸術方面のプロジェクトでは自分のしたい方向性が見えてきて、来年には形にしたいと思っています。そんなわけで、興味範囲も実際にやっていることも、相変わらずうまく表現できません。



「自分は今どんな仕事をしているのか?これから何をしたいと思っているのか?」

改めて振り返ってみると、自分でもよくわからない一年を過ごしました。一年どころか、自分の人生自体が相当によくわかりません。一時帰国中に聞かれたこの質問には、これからも上手く答えられなさそうです。

けれども、世の中に自分みたいな奴が少しぐらいはいてもいいのではないか、と思えるようにはなってきました。地盤のもろさに不安になる時もしゅっちゅうですが、結局のところ自分にはこういう生き方しかできなくて、なんとか楽しくやれています。



オックスフォードは、明日も、明後日も、その次の日も、雨の予報です。いまや、傘無しでもフード一つで平気で歩けるようになりました。たまに窓から晴れ間がのぞいて日差しがさすと、部屋がパッと明るくなり、なんだか美しいものに遭遇した気分になります。

こうして少しはこの場所にも慣れてきたのかなという気になったところで、ここでの生活もそろそろ終わりです。次は大西洋を渡り、今とうって変わって一年中快晴の場所。家賃は今以上に死ぬほど高いようです。色々とやりたいことの計画はあるものの。たぶんまた変なことをして、変なことがあって、変な一年になるんだと思います。

来年の今ごろはどんな仕事をしてるのか?何をしたいと思っているのか?

楽しみです。